表紙(筆跡:坂野耿一)
「坂野耿一画集」刊行のことば
ゴヤ、ミレー、須田国太郎に私淑し、日本の文化遺産を吸収し、労働と平和を愛 し、独自の画境をうち建てた坂野耿一さんが逝って早や4年の年を迎えました。 私ども、坂野さんとともに絵を描きともに談じ、ともに作品を陳べてきたものた ちは、故人の知己、遺族ともに相寄って、ここに「坂野耿一画集」を編みました。 生前酬われることの少なかったかれの画業は、しかし今後の日本美術の発展にかな らずや寄与すると思うからであります。
みなさん、わが国、現代の生んだひとりの画家が、日本を革新する活動に力を惜 しまない中で、さまざまに花咲かせた形象、人物に風景に花に、身辺の器物に什器 に、そして壮大な寓意や風刺や訴えに、謙虚なしぶさに色どられた画面をお味わい ください。
1980年1月坂野耿一画集刊行実行委員会
編集・発行=坂野耿一画集刊行実行委員会 代表者=坂野よしゑ・名古屋市名東区猪高町大字猪子右字赤松37市営猪子石荘8-104 伊藤彰朗、加古松雄、酒井弘一、鈴木啓之、高木妃賀、辻増雄、富田弘一 はらたはじむ、坂野心一朗、山下弘喜、山田三郎 事務局=富田弘一・名古屋市港区当知町3の35 印刷・デザイン=いとうこぴい・名古屋市北区元志賀町2の25 発行日=1980年1月